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白夜の官能小説

官能小説、アダルト小説のようなものを、あくまで趣味で書いています。あくまで趣味なので、厳しいことは言わないでね。

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「大富豪、時々探偵。 ~天使の素顔~」05

4人の男達が和香の前から突然に消えたことで、和香は心と体の置きどころを失ってしまった。心は淋しさに耐えられなくなり、体は、男の汗や、頼りがいのある肩幅や、ほとばしる精液に飢えきっていた。“抱かれたい。セックスがしたい。メチャクチャになりたい。”賑わう夕暮れのカフェの店内で、和香は密かに決意した。
「次にナンパされた男とセックスをする。よほどのことでなければ、誰でもいい…」
隣りの席に男が座った。きちんとスーツを着たビジネスマンだ。ちらっと横顔を見ると、割といい男のように感じる。しばらくしたら声をかけてみよう。だけど、どんな風に声をかけよう。いきなり“セックスしませんか?”なんて言えないし…たとえば“私、お酒が好きなんだけど、友達にすっぽかされてしまって。よかったらご一緒にどうですか?”なんて、いいかもしれないわ。それで、お酒に酔ったふりをしてその気にさせて…



そんな計画を考えていると、突然、隣りの男が和香に声をかけてきた。
「あの、待合わせですか?」
自分から声をかけようと思案していた和香は、どぎまぎした。
「え?あ、あ、いえ、違いますけど…」
その男の方に振り向くと、まず和香の目に男の大きな腕時計が飛び込んできた。ヨーロッパ製の最高級ブランドで、安い物でも500万円は下らない代物である。ファッション雑誌でセレブがしてい写真を見たことがあるが、実際にしている人を見たのはこの男が初めてだった。しかも、文字盤の所に大きな石がいくつもキラキラと光っている。おそらく数千万円はする。すごい…。
「あの、失礼でなければ、食事に付き合ってくれないかな?お腹が空いたんだけど、俺、なかなか1人じゃレストランに入れなくてさ。」
和香は終始あっけにとられてしまった。
「もちろん、付き合ってくれたお礼に、俺が全部ご馳走するから。」







タクシーが着いたレストランは、銀座の最高級のフランス料理店だった。しかも、予約は一般人なら1年は待つ。それなのに、この男は電話1本で簡単にリザーブを入れてしまった。しかも、通された場所はVIP待遇の個室だ。“一体どうなっているんだろう…”
「あの…さっき会ったばかりなのに、こんなすごいお店に連れて来てもらって…いいんですか?」
「ん?別に?いつも来ている店だし、気にしないでよ。それより、ごめんね、突然誘ったりして。」
和香は目を丸くしっぱなしである。しかし、この男の何にも動じないような態度は何故か和香を安心させた。
「あの、まだ貴方のこと聞いていなかったんだけど…何している人?」
「ああ、仕事?仕事はろくにしていないんだ。会社、いくつか持ってるから。それで充分に食っていけるんだ。」
ケンタロウと名乗ったその男は、誰からも愛されそうな無邪気な笑顔で、そう答えた。
店の最高責任者と思われる、貫禄のある紳士がケンタロウに挨拶にやって来た。紳士のケンタロウに対する接し方を見ているだけでも、このケンタロウという男が、いわゆる一般の来店客とは格違いであることが和香にはわかった。



店は一向にオーダーを取りに来ない。そのうちにシャンパンが運ばれてきた。和香はおそるおそる口につける。すると、ひと口飲んで正直な感想が出た。
「おいしい、これ。こんなの飲んだことない…」
「よかった、君が気に入ってくれたのなら大丈夫だ。」
「でも、これ、きっと高いんでしょ?きっと、すごく、お高いわ…」
「うーん、よく知らない。どうなの?」
ケンタロウがギャルソンに聞いた。すると、ギャルソンはにこやかに応えた。
「お嬢様、このシャンパン1本で、私がプライベートで乗っている国産車が買えます。」
ケンタロウは笑った。
「ギャルソン、なかなかいい冗談だ。今度使わせてもらうよ。」
しかし和香は笑えなかった。それは、冗談ではない…







★ 「大富豪、時々探偵。  ~天使の素顔~」 06につづく ★
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白夜

白夜 -hakuya-

Author:白夜 -hakuya-
アマチュア官能小説家


39才男性
都内某所にて
自営業の傍ら
あくまで趣味で
書いています
普段は好感のもてる清潔な
そこそこイケメンです
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